大津地方裁判所 昭和51年(わ)243号 判決 1977年7月18日
(一)
本店所在地 滋賀県草津市矢倉二丁目八番二七号
法人の名称
大和舗道株式会社
右代表者の氏名
奥村繁雄
(二)
本籍及び住居 大津市大石東町一〇九番地の一
会社社長
奥村繁雄
大正二年一月五日生
出席検察官
宮森正昭
主文
被告人大和舗道株式会社を罰金七〇〇万円に、被告人奥村繁雄を懲役一〇月にそれぞれ処する。
被告人奥村に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社は、滋賀県草津市矢倉二丁目八番二七号に本店を置き、舗装工事業、土木工事業、設計施工、請負並びに不動産売買及び食堂経営等の事業を営むことを目的とする資本金四八、九六〇、〇〇〇円の株式会社であり、被告人は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄しているものであるが、被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一 昭和四七年八月一日から同四八年七月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額は三六、四三四、二四五円で、これに対する法人税額は一二、九三六、七〇〇円であったのにかかわらず、公表経理上売上の一部を除外し、架空原価を計上する等の不正な行為により所得を秘匿したうえ、同四八年一〇月一日滋賀県草津市大路二丁目三番四五号所在の所轄草津税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が五、七二五、七〇〇円で、これに対する法人税額が一、六八九、七〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一一、二四七、〇〇〇円を免れ、
第二 同四八年八月一日から同四九年七月三一日まで事業年度における同会社の実際所得金額は四四、五三六、二一八円で、これに対する法人税額は一六、五八〇、六〇〇円であったのにかかわらず、前同様の不正な行為により所得を秘匿したうえ、同四九年九月三〇日前記草津税務署において、同税務所長に対し、右事業年度の所得金額が一四、九〇〇、七六三円で、これに対する法人税額が四、八〇〇、〇〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一一、七八〇、六〇〇円を免れ、
第三 同四九年八月一日から同五〇年七月三一日までの事業年度における同会社の実際所得金額は四五、四四九、八八六円で、これに対する法人税額は一七、五五〇、五〇〇円であったのにかかわらず、前同様の不正な行為により所得を秘匿したうえ、同五〇年九月三〇日前記草津税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九、四五三、〇一九円で、これに対する法人税額が三、二二三、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一四、三二六、六〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、被告人の当公判廷における供述並びに検察官に対する各供述調書及び大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、奥村史郎の検察官に対する各供述調書
一、奥村史郎、西田稔子、奥村保弘、谷口秀男、中村繁雄、木内照夫、橋本吉平、中谷忍、崎島七郎の大蔵事務官に対する各質問てん末書
一、森口孝彦、平岡志津子、森本繁子各作成の供述書
一、杉原茂生、高田富雄、竹田幸一、土井幸正各作成の回答書
一、奥村史郎、奥村保弘、中村至良、平野嘉男各作成の確認書
一、草津税務署長作成の各確定申告書謄本
一、大蔵事務官作成の検査てん末書及び各査察官調査書
(法令の適用)
一、罰条 判示各所為につき、法人税法一五九条一項、二項(被告会社に対してはさらに同法一六四条一項)
二、刑の選択 (被告人奥村) 判示各罪につき、所定刑中懲役刑を選択
三、併合罪の加重
1. 被告会社 刑法四五条前段、四八条二項
2. 被告人奥村 同法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重)
四、刑の執行猶予(被告人奥村) 同法二五条一項
よって主文のとおり判決する。
(裁判官 横田勝年)